くちぶえ吹きと水

「ステージでの水飲み」の是非について、内外のくちぶえ吹きたちやコンテストの審査員らのあいだで、話題になることがあります。

演奏中にあまり口が渇かないひとや、くちぶえを吹かない審査員はおおむね否定的です。演奏中にしょっちゅう水が必要な楽器など、まず見たことがないし、

「水が必要」というのがどういう感じなのか想像できないからでしょうか。

他の楽器や声楽などからの類推で「水など飲まなくてもしばらくの間なら何とかなるだろう」と断定していいものかどうか、と思います。
雅楽の笙のように、常に火鉢などで暖めないと音が出なくなる楽器もありますし、「楽器としてのくちぶえ」はまだわかっていないことがあまりに多い気がします。

経験上、一つ言えるのは「のどウォーブリング」は「ノーマル奏法」のみの場合より明らかに口が渇きやすいです。想像ですが「より細くて速い息」が必要だからではないかと思っています。(「ウォーブリング奏法ワークショップ」で、いつも参加者の方々のための水を用意しているのはそのためです)
渇いてくるとノーマル奏法にも影響が出てきますが、その前のもっと早い段階でウォーブリングの切れがなくなり、ついにはウォーブリングができなくなってきます。

僕自身は、曲や長さによって、いけそうなら飲まないですが、飲むとしても、まあ当たり前ですが、なるべく後ろを向くとか、パフォーマンスの流れが途切れてしまうようなところでは飲まない、ようにはしています。