くちぶえ弾き吹き入門 – 4. 演奏編 – b. 大会にエントリーしよう

i. 大会について

大会とは

 口笛大会とは、音楽としての口笛演奏のコンテストです。
 私が主催し審査員の一員となっている口笛世界大会(The World Whistlers Convention = WWC)は、現在隔年で日本で開催されている最大級規模の口笛大会で、「弾き吹きカテゴリー」があります。
 弾き吹きカテゴリーでは、クラシックとポピュラーの各1曲を演奏します。(詳細は上記リンク参照)

 やはり聴くだけと出場するのでは、関わり方、楽しみ方、一体感に雲泥の差があります。回を追う毎にレベルが上がってはきていますが、まだまだ新しいカテゴリーなので、出場のハードルはまだそれほど高くありません。ご興味があればぜひエントリーしてみてください。

順位は大事、でもそれだけでもなく

 WWCの場合、事前審査や本番も全て順位が付けられます(入賞以外は本人のみに通知)。他の人と競うだけではなく、2年前の自分の順位と比べてみてもいいと思います。

 但し、主催者が言うのも変ですが、本来音楽(に限りませんが芸術全般)は、受け取る方によって価値が異なるものだと思うので、客観的な順位付けなどは、ある一面を捉えたものでしかないかもしれません。

 もちろん、順位を意識するのもモチベーションとしては大事ですし、運営側は公平にしっかり審査するのは当然ですが、一方では会場に来られる方は、あまり順位とか、上手下手を気にし過ぎずに、多彩な演奏を楽しむのもいいと思います。

 WWCの前身である、アメリカのIWCで長年審査員を務められた方が「これは50人のコンテストだけれど、ある意味50人のコンサートでもあるんだよ」と仰っていたのがとても印象的です。この雰囲気がWWC/IWCの伝統なのだと思います。

多様な出場者たち

 大会では、毎回10数カ国から参加があり、小さい子どもからお年寄りまで、初めて舞台に立つひとから常連のひと、口笛やほかの楽器のプロ奏者まで、多種多様な方々が出場します。
 皆がその場に集うこと、様々な演奏を聴くこと、そして自分が演奏することをとても楽しみにしています。

ii. エントリーの方法

エントリーから大会出場までの大まかな流れ

 WWCのケースで説明します:

  • 大会日程の告知: 大会の半年〜1年前頃に大会日程の告知があります。事前審査の受付期間もそこで通知されるので、要項を確認し、選曲など、エントリーの準備を始めます。
  • 映像の準備: 弾き吹きカテゴリーの事前審査は映像の提出が必要なので、ビデオ撮りをします。
  • 事前審査エントリー: 受付期間中に事前審査のエントリーをします。
  • 大会準備: 無事、事前審査を通過したら、練習はもちろん、交通手段や宿泊などの手配をします。
  • 大会出場: 大会に出場です。出場については次章で触れます。後日スコアシートと順位が送られてきます。

エントリーの方法

 WWCの場合、エントリーは全てWEBサイトとメールで行います。サイトの要項をよく確認してください。
 最初のハードルは事前審査に提出する映像の作成です。次にそれについて説明してみます。

 

iii. 選曲は時間をかけて

 エントリー映像を撮るためには、まずは選曲が必要です。
 弾き吹きカテゴリーのエントリーはクラシックとポピュラー各1曲なので、その1曲の選曲が非常に大事です。毎回少なくない方々が、アレンジを含めた選曲で損をしている(実力をアピールできていない)感じです。時間をかけてじっくり選ぶのがいいです。

  • 技量に合ったものを

     曲が難しすぎたり、テンポが速過ぎたりして、演奏に粗(アラ)が目立つと大幅に減点されます。例えば聴かせどころの最高音がちゃんと出ていないと、なぜキーを下げないの?となってしまいます。
     かといって、あまりに易しすぎるものも評価されにくいです。自分の技量の範囲内で、十分アピールできるものを選曲します。

  • 多様性のあるものを

     テンポや曲調が単調なものも表現次第で必ずしも悪くはないですが、曲の中で変化や多彩な表情があって、それがちゃんと表現できていれば、より評価されやすいです。

  • 個性を感じさせるものを

     選曲や表現に個性を感じさせるものは、多少技術的に未熟であっても評価されやすいです。技術が伴えばなおさらです。また「この曲が大好きで」という思いもプラスに伝わります。逆に技術があっても掘り下げが浅かったり、「〜どこかで聴いたような〜」という演奏は評価されにくいかもしれません。

 

iv. 録音の品質に注意

 映像を撮る時には、特に録音の品質に注意します。録音技術の審査ではないので、録音自体の良し悪しは直接審査には影響しませんが、例えば、録音状態が非常に悪くて、口笛の擦過音との区別が難しいような場合は、擦過音の減点となったりします。

 演奏が上手な方は、録音にも気を使っていることがほとんどです。自信がない方はこれを機会に勉強するか、詳しい人に頼むのがいいと思います。

  • それなりの場所で録音しよう

     静かな場所、演奏に適した場所で録音・録画しましょう。最低限、騒がしいカラオケの部屋や、話し声やテレビの音を避けましょう。トイレも反響が多過ぎてそもそも演奏しにくいと思います。

  • それなりの機材で録音しよう

     最近はスマホでもそれなりに録れますが、あまりに古い機材や、音楽用でないレコーダーなどは、どうセッティングしてもキレイに録れないことがあります。
     また、割とよくあるのが、録音レベルの調整が適切でなくて、音が割れていたり、逆に音が小さすぎたりするケースです。大事なのは録音したものがちゃんと録れているかよく確認することだと思います。

 なお、映像は確認用なので、それほどのクォリティーは必要ありません。

 

v. 納得いくまで撮り直そう

 事前審査用の映像は、本番演奏と違い、失敗したら何度でも撮り直すことが出来ます。逆に言うと、ミスがあったり、今ひとつの状態で提出すると、本当はもっと点があげられるのに・・・ということになってしまいます。
 そこは安易に妥協せず、納得いくまで撮り直すことをオススメします。

 
 
 次の章では、大会出場についてです。

 

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