国際口笛大会(IWC2011)レポート(4)3日目:予選2

レポート(4)3日目:予選4
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この日は朝9時から、成人のクラシックカテゴリの予選。
クラシックはひとり最大5分なので昨日より少し時間がかかるはず。(ポピュラーは最大4分) そして6時からの夕食会のあと、夜8時からアライドアートの予定。(今日も遅そう・・・)

昨日よりは早めに会場入りし、他の人の演奏をじっくり聴く。
アメリカ大会はスタイルのバリエーションも多い。聞けた範囲だけでいうと、ノーマル奏法が約81%、舌ウォーブリングが約10%、のどウォーブリングが約7%、ルーフウィスリングが約2%だった。

「ルーフウィスリング」は「パラタル(Palatal)ウィスリング」とも言われ、ハッキー・タマス(以下のムービー参照)やアーネスト、そして2009年のチャンピオンで今回も参加しているルークに代表されるスタイル。

アジア圏ではぼくはまだ見たことはないが、欧米ではたまに見られ、口を開けたまま音が出てくるのが特徴。つまり普通のいわゆる「パッカー(Pucker)スタイル」のくちぶえと違い、唇周りで音が出ないで、上あごと舌の間に空気が通るときに音が出る(らしい)。
ぼくはできないので、演奏を聞いた範囲での印象だが、音量やダイナミクスはそれほど出ず、音域はおそらく2オクターブ行くか行かないか。運動性に優れる感じ。

英語ではWhistlingとひとくくりになってしまうが、ぼくの認識では「指笛」や「手笛」と同じく、くちぶえとは明らかに「楽器」が違うので、いっしょくたに審査するのは問題があるのではと感じています。クラリネットのコンテストにオーボエが混ざっているような感じ。

ほかには、傾向として、伴奏音源に主旋律が入ったものが目立ち、25%以上いたのでは?
以前別の記事でも書いたが、伴奏音源の全曲に渡って主旋律が入っていると、くちぶえはそれを「なぞる」だけなので、技術的難易度と音楽性が大幅に下がる。いまはそうなっていないが、本来、採点基準に加えてもいいのではないかと思っています。

昨日は会場である大学の敷地内の学食で昼食を取った。バイキング形式で安くて好きなだけ食べられる。味も悪くない。
今日は昼食後わりとすぐの出番になってしまったので、楽屋で持参してきた軽食を食べて、ちょっと仮眠。

昨日のポピュラーのときは、モニター(返し)にもリバーブが入っていて、これが少しばかり効き過ぎて、早いパッセージのときにちょっと聞きづらかった。
担当の人に言おうと思って忘れてしまったが、今日はまったく問題なかった。
その件を除けば、今回は音響的にはとても吹きやすかった。たぶんモニターの配置とセッティングの関係だと思う。
会場の音響はまた別で、普通のコンサートよりはやや音量が抑えめな印象があった。特に伴奏音源を抑えてある。たぶんくちぶえがよく聞こえるよう、審査上の要求なのだろう。

今日も2時半頃には全員終わってしまった。
6時の夕食会まで間があるので一旦ホテルに帰った。今回は久しぶりに出ることにしたのでアライドアートなど練習。ワンコーラス歌も歌うつもり。

今日の夕食会は100人近く参加したのではないか。特に余興は無しだが、あちこちのテーブルで話が盛り上がっている。国籍や母国語は様々だが、とりあえず少しでも英語が出来れば案外コミュニケーションできる。
各国のくちぶえ事情を聞いたり、オフレコ話などで盛り上がる。

そろそろいい時間になったので、皆でがやがやと会場に戻る。
「アライドはなんか気楽でいいね」といったら、某なぴゅに「え〜っ、けっこうマジなんですけど・・・」と目を丸くされてしまった。そっか、アンサンブルはそちらの本領でしたね。。。

アライドアートは、くちぶえが入っていれば、結構なんでもありのカテゴリ。
歌はもちろん、タップダンス、手笛、エフェクター、ラッパやヴァイオリン、ギター、ピアノなどの楽器併用のもの、中には空手(しかも女性)もあったり・・・

見ていてとっても楽しめたので、水を差すのは忍びないが、口笛大会の中でやる以上、「くちぶえ演奏の完成度」と「くちぶえをどう生かすか」という視点がベースに欲しいと思った。前回の中国大会ほどではないが、くちぶえとそれ以外の部分の関連が見えないものが目立った。

アライドアートが終わってからファイナリストの発表があり、男性7人、女性3人がファイナルに進んだ。日本人3人はぼくを含め全員ファイナルに残ってひと安心。

今日も終わったのは夜10時近く。連日結構ハード。
う〜ん、明日の練習をする時間がないぞ。