ウクレレ/ギターも入口はやさしいですが奥が深い世界。ここではホンの入口ですが、比較的やさしく出来て効果のある弾き方を、曲例を元にもう少し紹介したいと思います。
題材の楽譜はウクレレ用ですが、ギターの場合はアルペジオの指示の(4321)を(B321)のように、4をBに読み替えればそのまま弾けます。(アルペジオパターンは独自表記)
i. アルペジオ1(埴生の宿)
「5. いちばんやさしい曲例」にアップした「埴生の宿」を題材に解説します。
1コーラス目のアルペジオパターン
アルペジオのときの右手の指と弦の割当は、「3. 練習編 – b. 次の一歩」でも記載した通り、4弦:親指、3弦:人差し指、2弦:中指、1弦:薬指です。
楽譜には以下の記載があります。「1x)」が1コーラス目の指示です。
- 1x) (4321) x 2 or (4323 1323)
1コーラス目は「(4321) x 2」または「(4323 1323)」で弾きます。たとえば1小節にコードが2つあるところは「(4321) x 2」で、コードが1つのところは「(4323 1323)」で弾きます。
「(4321)」は4,3,2,1弦の順に1本ずつ弾く指示です。「 x 2」とあるので1小節にこのパターンを2回弾きます。つまり弦一つは8分音符の長さになります。
「(4323 1323)」も指示の順に1本ずつ弾きます。弦一つの長さは同様に8分音符です。
どちらのパターンも音の長さができるだけ均等になるようにします。指に余分な力が入っているとスムーズに動かないので、できるだけ力を抜いてやってみてください。
2コーラス目のアルペジオパターン
「2x)」が2コーラス目の指示です。
- 2x) (4 3 2+1 3) x 2
読み方は1コーラス目のものと同じ要領ですが、「2+1」は2弦と1弦を一度に弾く意味です。2コーラス目は伴奏の音数を増やして、少し賑やかにします。
[C]の最初の4小節は静かに
練習番号[C]の最初の4小節は、くちぶえ、伴奏共にp(ピアノ)、またはpp(ピアニッシモ)で演奏してみてください。タテの波線はストロークの指示ですが、右手親指を使って、なるべくソフトに、かつゆっくりとしたストロークで弾いてみてください。
ii. アルペジオ2(楽しき農夫)
こちらは「5. いちばんやさしい曲例」にアップした「楽しき農夫」を題材に解説します。
楽譜のページに(めずらしく)デモ演奏を付けたのでご参照ください。キーはデモでは「in C」ですが、楽譜は「in D」にしてあります。(ウクレレでは「in D」のほうが少し弾きやすいです)
パターンの指示
以下のようにパターンの指示があります。
- (St. 1,3) 1拍目と3拍目でストロークします。
- (4321) x 2 「埴生の宿」と同様
-
(4 3+2+1 3+2+1 r) x 2 or (4 3+2+1 4 3+2+1 4 3+2+1 3+2+1 r)
これは今まで出てきたものの応用で読めると思います。
分からない部分はデモ演奏を参照してみてください。キーと一番最後以外は楽譜通りです。
iii. 右手でカッティング(Stand By Me)
カッティングのやり方
カッティングは「チャッ」というパーカッシブな音を入れるストロークで、覚えておくと便利です。いろいろやり方はありますが、ここでは右手でやるやり方です。
人差し指でダウンストロークするアクションの最後でカッティングを入れます。手首を返した時に親指の付け根のあたりか手のかかとのあたりを弦4本に当てて響きを止めます。手の当てる場所は多少個人差があるので、いろいろ試してやりやすいところを見つけてください。
カッティングパターン
カッティングパターンは例えば以下のように記載します。「Dx」がカッティング付きのダウンストローク。(独自表記)
- (D r Dx U r U Dx U)
以前やったストロークのパターンは以下の通りです。比較のために載せます。
- (D r D U r U D U)
見てのとおり、2回目と3回目のダウンストロークにカッティングを入れる違いだけです。
「Stand By Me」のコード進行
ここでは楽譜は載せませんので、簡略記法でコード進行のみ書いておきます。簡単です。
- | C | C | Am | Am | F | G | C | C |
縦棒は小節の区切りです。4分の4拍子で、この8小節を3回繰り返して1コーラスです。
ウクレレでは「F」から「G」に行くところが最初は少し難しいので、「G」の代わりに「G7」「0212」でも構いません。
なお、前にも書きましたが、ギター場合は「F」のコードが初心者には難関です。セーハがうまく出来ない場合は替え指の「x03211」で構いません。1弦と2弦は人差し指一本で押さえます。この場合、基本のベース音は4弦になります。
口笛はアドリブを入れて
演奏の仕方としては、1コーラス目は普通に吹いて、2コーラス目でアドリブなど混ぜつつ、ラストをゆっくり(rit.)にして終わる、というのがよくやるパターンです。
アドリブをやったことがないと言う方も、練習の時は誰も聞いていない(?)でしょうから、最初は上手に出来なくてもいいのでとにかくやってみるといいです。
もしちょっと敷居が高く感じたら、元のメロディーを少し崩してみるところから始めてもいいですし、またはハモリを付けてみるつもりでメロディーを作ってみてもいいです。
高音が出せる方は
高音が出せる方は、ウクレレの場合は以下のように「in F」に移調するとよりシャープな感じになります。最高音はFになります。
移調のやり方(コードの振り直し方)は、また後ほど取り上げたいと思います。
- | F | F | Dm | Dm | Bb | C | F | F |
ギターではこれだと少し弾きにくい(セーハが多くて手が疲れる)ので、以下で「Capo 3」などにするといいと思います。
- | D | D | Bm | Bm | G | A | D | D |
次の章では、またくちぶえに戻って、くちぶえの次の話題を取り上げてみます。