くちぶえ弾き吹き入門 – 2. 準備編 – a. ウクレレを借りてやってみよう

i. すぐ弾ける「かえるのうた」

ウクレレを借りてこよう

 弾き吹きとはどんなものなのか、ちょっと気になったらやってみるのがいちばん早いです。押し入れとか友達の家とかに、使っていないウクレレが一つぐらいないですか? 弦が4本張ってあって、とりあえず一応音が出るものなら良いです。ちょっと借りて来ましょう。
 このページでは細かい説明は極力省いたので、とにかくウクレレに触れて音を出してみてください。
 なお、ここではウクレレをメインに書いているので、詳しくは触れませんが、ギターでも概ね同様にできるので、ギターの方も是非やってみてください。

調弦

 ウクレレを借りて来たら、まず調弦(弦の音を合わせること)をします。プロローグの動画のように構えたら、弦は上から4,3,2,1弦と呼びます。4弦=G(ソ)、3弦=C(ド)、2弦=E(ミ)、1弦=A(ラ)に合わせます。もし自信がなければ詳しい人にやってもらうか、「ウクレレ 調弦」などで検索してやり方を調べてみてください。

 
 

「C」コードとストローク

  • 「かえるのうた」はワンコードなので、「C」のコードだけ憶えれば弾けます。左手の薬指で1弦の3フレット目(鉄の横棒の2つめと3つめの間)を押さえます。

 
 

 ストロークは、右手の親指の先で4弦から1弦の方向で4本の弦を軽くなでるように弾きます。場所はサウンドホール(ウクレレの胴体の穴)あたりです。これが「C」のコードのダウンストロークです。

弾き吹き

 一応楽譜を載せておきます。最初はゆっくりのテンポで、口笛を吹きながらウクレレを弾いてみてください。

 口笛は「First Note」を参考に出だしの音を取ってください。白丸は「開放弦」つまり何も押さえないで弾くという意味です。この場合は、3弦を何も押さえないで弾いた音がメロディーの出だしの音です。そして波線の場所でウクレレをストロークします。(波線=ストロークは独自記法)
 この曲は4拍子なので1小節に4拍です。この波線は「1,3拍目でストローク」と言う指示になります。

 

 

ii. これも簡単「いとしのクレメンタイン(雪山讃歌)」

2コード

 この曲は2コードです。「F」と「C7」を憶えれば弾けます。

  • 「F」は中指で4弦の2フレットと人差し指で2弦の1フレットの2箇所を押さえます。

 
 
 

  • 「C7」は人差し指で1弦の1フレットを押さえます。

 
 
 

 コードはたった2つなので、指先を見なくても押さえられるように、押さえる位置を憶えてしまいましょう。そのほうがスムーズにコードチェンジできます。

 

<メモ> ギターの場合もこのままのコードで弾けなくはないですが、最初のうちはちょっとハードルの高い「F」を避けたほうがいいかもしれません。前にも書いたようにメインは口笛なので、楽できる部分は楽します。「F」を「D」に、「C7」を「A7」に読み替えてください。そして「Capo 3」にすると同じ高さの音になります。(詳しくは後ほど)

 

右手の弾き方

 この曲は3拍子です。各小節の1拍目だけジャランとストロークを入れましょう。ストロークのやり方は「かえるのうた」と同じです。

慣れてきたら

 口笛に自信のある方は、2コーラス目はアドリブを入れてみてもいいです。

 

 

iii. 裏拍で弾く「ジャンバラヤ」

 曲名は知らなくても曲はおそらく聴いたことがあるのではないかと思います。

 

2コード

 この曲も2コードです。キーは(上のどちらの映像とも違いますが)口笛では「in C」がいいと思います。そうすると「C」と「G7」を憶えれば弾けます。出だしは「C」で始めて、コードが変わりそうだな、と思ったら「G7」にしてみてください。そしてまたコードが変わりそうだな、と思ったら「C」に戻します。コードは2つだけなので、難しく考えずにどちらか試してみてしっくりくる方を使えば大丈夫です。

  • 「G7」は指3本で押さえます。中指で3弦の2フレット、人差し指で2弦の1フレット、薬指で1弦の2フレットの3箇所を押さえます。「C」は「かえるのうた」を参照してください。

 
 
 

ストローク

 映像でわかるように、このタイプの曲は裏拍にアクセントがあります。基本的に2拍子なので、1拍目の裏と2拍目の裏にストロークを入れます。今までの曲よりリズムが速いので、人差し指を使って少し早めのストロークをします。(ストロークのやり方は先に行って詳しく説明します)

 但し、裏拍だけにストロークを入れていると途中で裏表がわからなくなったりするので、1拍目と2拍目で4弦に軽く当てるようにするとリズムが取りやすいです。


 参考までにTAB譜を載せておきます。右の記号は「前の小節と同じ」という意味です。

 

 

デモ演奏

  • 1コーラス目: 伴奏パターン1(裏拍ストローク)で。
  • 2〜3コーラス目: 伴奏パターン2(D r Dx U r U Dx U)。メロディーはフェイク。

 

iv. これもワンコード「世界ネコ歩き オープニングテーマ」

「世界ネコ歩き」

 ちょっとマニアックかもしれませんが「世界ネコ歩き」というテレビ番組のオープニングテーマの曲です。NHKでやっているのでどうぞ見てみてください。

 これまで挙げた曲の中では唯一、歌のない器楽曲です。器楽曲の場合は当然のことながら歌声がなくても成立するように作られているので、同じように歌声のない弾き吹きでは返ってサマになりやすいことが多いです。但しその分口笛は難易度が高いこともあります。

 この曲はオリジナルはリコーダーを使っていますが、口笛でも雰囲気が出せます。ただ、これもやはりどちらかというとウクレレより口笛の方が少し難しいかもしれません。

 ワンコード、「C7」だけで弾けます。「C7」の押さえ方は「いとしのクレメンタイン(雪山讃歌)」を参照してください。

ストローク

 この曲も今までとちょっと違ったストロークをします。このストロークは親指がやりやすいです。1拍目で少しゆっくりめにジャランとストロークして、そのあとはフルストロークせずに4弦だけに当てるつもりで「チャ、チャン、チャ、チャン、チャ、チャン、チャ・・・」と跳ねたリズムで弾きます。そして頃合いを見計らって1拍目などにジャランとフルストロークを入れます。

 この辺の弾き方はオリジナルの演奏を参考にして適時やってみてください。オリジナルと多少違っても雰囲気が出せればOKです。

 


まとめ

 簡単に弾ける曲を4曲載せてみましたが、いかがだったでしょうか。まだほんの入口ですが、弾き吹きの楽しさを感じて頂けたら嬉しいです。もしうまくできない場合は、口笛とウクレレを同時に演奏するのがまだ難しいのかもしれません。
 そこは誰でも通る最初のハードルなので、始めはちょっとだけ時間が掛かるかもしれません。まず口笛とウクレレとを片方ずつ練習して、そのあとゆっくりのテンポで合わせてみてください。だんだん慣れてくると思います。

 次の章では「弾き吹きで使う楽器を入手する前にしておくこと」を書いてみます。

 

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