くちぶえ弾き吹き入門 – 2. 準備編 – e. 必要なもの、あったらいいもの

i. 楽器購入時のカスタマイズ

Low-G弦(ウクレレ)

 「ウクレレ/ギターを知ろう」で書いたように、ウクレレの場合はLow-G弦を張るのがおすすめです。購入時には4弦にHi-G弦が張ってあるものがほとんどなので、Low-G弦に張り替える必要があります。
 そのまま弦だけ替えるのであればそれほど難しくないので、試しに自分でやってみてもいいですが、楽器によってはナットやサドルの調整が必要になることもあります。

 お店で新たに購入する場合は、納品前にそのあたりの調整を含めて、予め張り替えて貰った方がいいかもしれません。

ストラップピン(ウクレレ)

 ウクレレの場合、ストラップ無しで演奏する方も多いですが、慣れないと構えが安定しにくかったり、上半身が少し動きにくくなって呼吸のしやすさに影響が出ることもあるので、弾き吹きではストラップを付けることをおすすめしています。譜面をめくったり、書き込んだりするのも楽になります。

 ウクレレのストラップは、下側はストラップピンを取り付けて固定し、上側はヘッドにヒモで固定するか、またはネックの根元あたりにストラップピンを取り付けて固定します。
 下側のストラップピンは胴体のお尻に付けます。最初から付いているものもありますが、そうでなければ楽器店などで付けて貰います。これも購入時にやってもらうと簡単です。
 上側は通常は「ヒモ固定」でおそらく問題ないと思いますが、体格などにもよるので、しばらく使ってみて、やりにくいようならピンを付けてもいいと思います。

ストラップピン(ギター)

 ギターの場合も、弾き吹きで使用する場合はストラップを付けることをおすすめしています。アコースティックギターは概ね最初からストラップピンが付いていますが、ガットギターは一般的には座って足台などを使用するので、ストラップピンは付いていません。
 しかし、口笛は立って演奏した方が呼吸が楽で音もよく飛ぶので、弾き吹きでも立ち姿勢での演奏がベターです。そのためにはストラップピンが必要になります。もちろん、座って弾く方が慣れている場合はそれでも構いません。

 ガットギターの場合、上側はネックの根元にストラップピンを取り付けて固定します。楽器店などで相談してみてください。

 

ii. すぐ必要なもの

楽器ケース

 楽器ケースは、最初はナイロンの薄いペラペラのソフトケースでもいいですが、できればハードケースかセミハードケースを用意したいです。
 楽器は水濡れはもちろん、温湿度の変化、そして振動や衝撃に弱いです。屋外では雨の時もあれば寒いとき、乾燥しているときもあります。満員電車に乗るときや、クルマの荷台に入れるときなど、ソフトケースだと防護性がほとんどないので心許ないです。

 そのため、雨天時に多少の水滴なら入らないようになっていると安心です。丈夫さと軽さも重要な要素です。ケースは沢山の種類があり、なぜか、値段が高くてもいいとは限りませんが、酷使するものだけに安物は避けた方がいいです。

 ケースのショルダーストラップは、最近のものは付いているものがほとんどですが、あった方が移動時に楽です。
 なお、ギターでもそうですが、特にウクレレの場合は楽器によって微妙にサイズが違ったりするので、店頭で実際にケースに収まることを確認するか、よくサイズを確認してから購入したほうが安全です。通販で買って届いたら入らなかった、というのは良く聞きます。

ストラップ

 ストラップ自体はお好みで構いませんが、バックルなどの部品が金属製だと楽器に傷が付く心配があるので、プラスチック製を使っているもののほうが安心です。

チューナー

 昔はよく音叉などでチューニングしましたが、今ではほとんどの人が電子式のチューナーを使うと思います。ウクレレやギターでは、ヘッドに付ける「クリップチューナー」が一般的です。

 チューナーはよく吟味することをおすすめします。楽器のおまけで付いてくるものなどは、ボタンなどの操作が使いにくかったり、精度や感度が低くて役に立たないことがあります。但し、これも値段が高いものがいいとは限らないのも悩ましいところです。

 詳しくは「Gadgets」のページに書いてあるので、参照してみてください。

 

iii. あれば便利なもの

コード表

 コード別に左手指の押さえ方をまとめたものがコード表です。教則本の付録や、下敷きとして売っているものもあり、インターネットで入手できるものもあります。コード表には沢山のコードが載っていますが、端から憶える必要は全然ありません。ざっと眺めて、必要になったら見るようにすればいいです。

 なお、コード表に記載があるのは、概ね基本的な押さえ方のみです。コード進行によっては別の押さえ方の方が弾きやすいこともあるので、もし弾きにくいと感じたらいろいろ試してみるといいです。

カポタスト

 略してカポ(Capo)とも言います。左手の押さえ方はそのままでキーを変えることが出来る便利なものです。例えばこれを1フレット目に付けると半音高いキーに変わります。
 ソロ演奏のガットギターやウクレレなどではあまり使わないようですが、弾き吹きでは楽器の演奏が楽になる場合などには積極的に使いたいです。

 また、練習の時などで、半音分キーを変えてみると、口笛の吹きやすさや曲の感じがかなり変わったりします。音程が良くなることもあります。カポを使えばキーを手軽に上げられるので、キーを変えてみていろいろ試すときにも便利です。

 それほど高価なものではないので、少し慣れたら入手をおすすめします。
 カポについても、詳しくは「Gadgets」のページに書いてあるので、参照してみてください。

譜面台

 詳しくは後述しますが、弾き吹きの場合、楽譜を見ながら演奏することが多いので、譜面台が必要になります。最初のうちは机などに楽譜を置いてで構いませんが、マイクを使うような人前での演奏が視野に入ってきたら入手してもいいと思います。

 楽器店には値段も形も様々な譜面台があり、ものによっては座った位置までしか高さが伸びないものもあります。前述のように本番では立姿勢の演奏推奨なので、立った高さまで伸びるものがいいです。またその状態で譜面を置いてグラグラするような華奢なものは避けます。持ち運びにはちょっと不便ですが、少し重めのものの方が安定性は高く、野外で風で倒れたりも(若干)しにくいです。

 演奏会場のものが使えればそれでもいいですが、自前の使い慣れたものがあれば安心です。

楽譜集

 やりたい曲がいろいろ載っている楽譜集を、書店や楽器店などで入手しておくといいです。音符だけでなく、コードと、出来れば歌詞が書いてあるものがおすすめです。
 口笛では演奏そのものには歌詞はいらないですが、楽譜に歌詞が書いてあると、譜読みが苦手な方でも、どの辺をやっているのかが分かりやすいのと、曲想の参考になります。
 もし、書いてある通りではキーが合わなくても、ほとんどの場合、自分で移調してコードを書き換えることが出来ます。(詳しくは後述)

 どんな楽譜集がいいかわからない、という方のために、2例だけ挙げておきます。

 ポケットサイズから大判まで、同じ内容で何種類かのサイズが出ています。低価格で日本の曲や世界の曲が300曲以上載っています。
 選曲はやや古めかもしれません。(同じ出版社から違う選曲の楽譜集もいくつか出ています)

 英語版。主に洋楽ポピュラーの楽譜集です。ウクレレ弾き語りの初心者用ですが、ギターでも大丈夫です。
ちょっと値段は高いですが、これも沢山載っています。(曲名リストはこちら
 キーも概ねそのままで弾き吹きできるものも多いです。

 

 次の章では、いよいよ「練習編」に入ります。

 

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