弾き吹き向きの楽器(その2)

弾き吹き向きの楽器について、いろいろ話す機会も増えてきているので、もうちょっとだけ掘り下げます。

まあ、何を使っても使い方次第、ということはありますが、とりあえず、メジャーで比較的安価に入手しやすいコード楽器ということで、ウクレレ系、ギター系、ピアノ系に絞ってみます。

  • ウクレレ系: カランとした音色は独特の魅力があります。4弦にLow-Gを使ったりしてギター的な表現も弾き手次第。ただし、曲によって「合う・合わない」の守備範囲は他の2つよりやや狭いかもしれません。また、弦が4本なので、コード(構成音)の自由度が低いのは致し方ないところ。その代わり、あまり細かいことを考えずに手軽に合わせるのに向いています。マイキングもそれほど苦労しません。
  • ギター系: 大きく分けて、スチール弦とナイロン弦のギターがありますが、どちらでもお好みで。ただし、ストロークを多用すると、どちらもかなり音がでかいので、口笛との音量バランスに苦労するかもしれません。音域はウクレレをほぼ包含し(1〜4弦の5フレット以上でウクレレと同じ)さらに1オクターブ半近く低音が出るので、特に5弦6弦はベースラインが綺麗に出せます。オンコードもできます。
  • ピアノ系: 音色的には生ピアノが好きですが、アコーディオン系も味があります。ただ、持続系の音は口笛とカブる場合があるので、口笛をコロさないように注意が必要かもしれません。コード(構成音)の自由度は高いですが、ウクレレやギターと同じことをやっても、なぜかあまりサマにならないように感じます。昔からピアノを弾いていた人は別ですが、一から始める場合には、他の2つよりサマになるまでのハードルは少し高い気がします。

これから始めるのにどれか一つ、という場合は、ギター、それもナイロン弦のガットギター(クラシックギター)を勧めています。ソロギター(それもクラシック曲など)の演奏とは違い、弾き吹きで使う場合は一般に言われるほど敷居は高くありません。最小限でやればいいのですから。弦長630mm以下のショートスケールの楽器なら手の小さい人でも大丈夫だし、音域の調整がカポで簡単にできるのも大きな利点。曲の守備範囲も広く、慣れたらボサノバもできるし、ウクレレ持ち替えもすぐできるようになります。もちろん、ウクレレからガットギターもそれほど苦労しないと思います。ガットギターはおすすめです。